「おにぎり」と「おむすび」の違いとは?その意味や由来・歴史を解説
日本の食文化にはさまざまな魅力的な料理がありますが、その中でも「おにぎり」と「おむすび」は非常に特徴的な存在です。

今回はそんな「おにぎり」と「おむすび」の違いについて解説しています。また、おにぎりの歴史や由来なども詳しく紹介しています。

普段なにげなく食べている「おにぎり」と「おむすび」の魅力を知るのに必見です!

「おにぎり」と「おむすび」の違いとは?

「おにぎり」と「おむすび」の違いは、呼び名が違うだけで同じものです。地域、環境などにより呼び方が異なりますが、その違いを明確に定義するのは難しいとの見解が多いようです。

まず、一般的に日本の大部分では「おにぎり」と呼ばれることが多いです。この呼び方は広く浸透しており、多くの人々が「おにぎり」と聞くと、具材がお米の中に包まれた三角形や円形の形状を想像するでしょう。具材としては、梅干しや鮭、昆布などが一般的であり、ごはんの中にしっかりと混ぜ込まれています。また、大手コンビニチェーンでも「おにぎり」と呼ばれることが一般的です。

一方で、関東から東海道にかけては「おむすび」と呼ぶケースがあります。東京都や神奈川県では、「おにぎり」という呼び名が一般的ですが、関東から東海道では「おむすび」と呼ぶことが多いようです。また、一部のコンビニチェーンでは「おむすび」という名称を使用しているところもあります。

このように、「おにぎり」と「おむすび」の違いは、地域や環境によって呼び方の違いがあると言えます。しかし、どちらの名前を使っている場所でも、お米を主役とした手軽で美味しい食べ物に違いはありません。

おにぎり・おむすびの意味とは?

日本の食文化にはさまざまな美味しい料理がありますが、その中でもおにぎりは非常に特別な存在です。おにぎりは、ご飯を三角形や俵、円柱形などに成形し、海苔で包んだ日本の伝統的な食べ物です。一般的には白米の中に梅干しや昆布、塩鮭など、酸味や塩味のある具材を入れることが多いです。手軽に持ち運べて手で直接食べることができるため、古くから携行食や弁当として重宝されてきました。

おにぎりには、いくつかの面白い雑学もあります。たとえば、6月18日は「おにぎりの日」とされています。これは、日本最古の「おにぎりの化石」が発見されたことに由来しています。その化石が発見されたのは石川県鹿島郡鹿西町(現在の中能登町)で、1987年に杉谷チヤノバタケ遺跡の竪穴式住居跡の発掘作業中に見つかったそうです。この発見をきっかけに、鹿西町は「おにぎりの里」として町興しを行い、鹿西の「ろく」と毎月18日の「米食の日」にちなんで、「おにぎりの日」を制定することになりました。

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おにぎり・おむすびの由来

「おむすび」という言葉の由来についてですが、一つの説によると、日本の歴史書「古事記」に登場する農業の神様「神産巣日神(かみむすびのかみ)」に由来するとされています。神産巣日神は稲に宿る神様と信じられており、その稲を食べることで神の恵みを受けると考えられていました。この信仰から、おむすびという名前がついたと言われています。

一方、「おにぎり」の語源については複数の説があります。一つの説によれば、おにぎりの語源はご飯を握る動作からきているとされています。手でご飯を握りしめる様子が、「にぎる」という言葉に通じることから、おにぎりという名前が生まれたと考えられています。

また、おにぎりには魔除けの効果があると信じられていたという説もあります。おにぎりという言葉は、「鬼を切る」という言葉に響きが似ていることから、鬼退治に握り飯を投げつけるという民話も存在します。このような伝承や信仰から、おにぎりが魔除けや厄除けの効果があると考えられていたのかもしれません。

しかしこれらはあくまで一つの説であり、おにぎりの由来については確定的な情報は存在しません。また、形状や握り方によって明確におにぎりとおむすびを区別することも難しいです。それぞれの地域や個人の文化や呼び方によって、異なる解釈や呼称が存在する可能性があります。

おにぎり・おむすびの歴史

おにぎりとおむすびは、日本の食文化において重要な位置を占める食べ物です。おにぎりの歴史は紀元前1世紀頃まで遡ることができます。弥生時代の遺跡からは、もち米を蒸して固め、焼いたおにぎりのようなチマキ炭化米塊が発見されています。これがおにぎりの初期の姿であり、その後の進化を経て現代のおにぎりにつながっていきました。

現代型のおにぎりの直接の起源は、平安時代にさかのぼります。当時のおにぎりは「屯食(とんじき)」と呼ばれる食べ物で、大型の楕円形(1合半)で作られていました。使用されていたのは蒸したもち米であり、おにぎりの基本的な形や作り方が確立された時代と言えます。

おにぎりが海苔で巻かれ、現在のような形になったのは江戸時代中期とされています。当時、おにぎりは携行食として重宝されており、主に先巻きのしっとり派のおにぎりが主流でした。しかし、江戸時代後期になると、後巻きのパリパリした海苔が登場し、現代のおにぎりのスタイルが確立されました。海苔の追加により、おにぎりの味わいや食べやすさが向上し、より一層人々の愛される食べ物となりました。

おにぎりは携行性に優れており、手で直接食べることができるため、日本で古くから携行食や弁当として重宝されてきました。もともとは残り飯の保存や携行食として発達しましたが、その後は常食としてのおにぎりが主流となり、現代ではコンビニエンスストアやスーパーマーケットでも手軽に購入することができます。また、おにぎりは携行する必要がない居酒屋や定食屋でも提供され、日本の食文化に広く定着しています。

まとめ

今回は「おにぎり」と「おむすび」の違いについて紹介しました。おにぎりとおむすびは呼び名の違いだけで、ご飯を三角形や俵、円柱形などに成形し、海苔で包んだ同じ食べ物です。

手軽に持ち運べ、手で直接食べることができるため、古くから携行食や弁当として親しまれてきました。日本最古のおにぎりの化石の発見や、地域によるおにぎりの文化も興味深く、江戸時代の中期には現在のようなおにぎりが食べられていたようです。

このような「おにぎり・おむすび」の歴史に思いを馳せながら、自分の好みや地域の特産品などの食材を使って作るおにぎりを楽しんでみてください。
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