「おかき」と「あられ」と「 せんべい」の 違いとは?その歴史や由来も紹介
「おかき」と「あられ」と「 せんべい」の 違いについて知りたいですか?どれも同じようなお菓子ですが、意外な違いがあるんです。

この記事では、そんな「おかき」と「あられ」と「 せんべい」の 違いについて詳しく調べて解説をしています。

さらに、それぞれの歴史や由来についても掘り下げて紹介をしています。

最後までご覧いただければ、「おかき」と「あられ」と「 せんべい」の 違いが分かります。

「おかき」と「あられ」と「 せんべい」の 違いとは?

おかきとあられとせんべいの違いですが、原材料、形や大きさ、歴史や由来などの違いがあります。実は、おかきとあられは同じ原材料から作られていますが、せんべいの原材料は違うんです。

それでは、おかきとあられとせんべいの違いについて詳しく見てみましょう。

原材料の違い

おかき、あられとせんべいは原材料が違います。おかきとあられは同じ原材料である「もち米」から作られており、せんべいは「うるち米」から作られているんです。

お餅のように粘り気の多いもち米から作られる「おかき、あられ」と、ご飯のように粘り気が少ないうるち米から作られる「せんべい」では、その風味や食感に大きな違いがあります。

おかき、あられは、もち米を使っているので、焼いたときに膨らむので、柔らかい食感となり、せんべいはもち米を使っているので、焼いたときに膨らみにくく、食感は硬めとなります。

形や大きさの違い

おかきとあられとせんべいは形や大きさに違いがあります。焼くと膨らむ「おかき、あられ」は、明確なサイズなどに決まりはないのですが、一般的に大きいほうを「おかき」、小さいほうを「あられ」と呼びます。※小さくてもおかきと呼ぶ地方もあります。

焼いても膨らみにくい「せんべい」は、うるち米を薄く伸ばして焼いた平たい米菓です。こちらも明確なサイズは決まっていませんが、一般的にはおかきやあられより大きいサイズとなります。

歴史や由来の違い

おかきとあられとせんべいは歴史や由来に違いがあります。「せんべい」は飛鳥時代に中国より伝わりました。中国では紀元前から食べられているほど、その歴史は古いです。現在のようなせんべいの姿になったのは明治時代で、発祥は埼玉県の草加市とされています。

奈良時代の宮廷で振舞われたお菓子が「あられ」です。あられを作る際に音を立ててはぜる様子から、空から降る霰(あられ)のようだと名付けられました。「おかき」は、鏡餅を槌で割る様子から欠き餅と呼ばれていましたが、宮中言葉でおかきと呼ばれるようになります。

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「おかき」とは?

「おかき」という言葉は、本来は「かきもち」と呼ばれていました。餅は昔から神様へのお供え物として使われており、正月には鏡餅が供えられ、それを食べる際に手で割られました。その割られた餅が「手で欠けた餅」を意味する「てかきもち」となり、「おかき」と呼ばれるようになったと言われています。女房言葉は室町時代初期頃から宮中や院で使用され始めた言葉であり、一部は現在でも医パン的な言葉として使われています。

「おかき」は鏡餅などの神様への供物として使われる餅を槌で細かく作ったものです。餅に刃物を入れることは縁起が悪いと考えられていたため、槌が使用されました。割られた餅は雑煮や汁粉として食べられるほか、干し餅(欠餅)や氷餅として保存食とされました。

「おかき」という呼び名が一般化したのは、室町時代の宮中で女房言葉として使われ始めたことに起因します。実は、「おかき」は京都の方言です。現在では関西地方では「あられ」も含めて「おかき(かきもち)」と呼ばれていますが、東京でも「おかき」という語が普及しています。

「あられ」とは?

「あられ」とは、もち米を使用して作られるお菓子で、もちを細かく切って焼いたり揚げたりします。おかきと同じ材料や作り方を持ちいていますが、小さいものを「あられ」と呼ぶのです。

「あられ」の歴史は非常に古く、平安時代に「山城風土記」に記述されているように、かき餅(お正月の鏡もちを砕いて作る乾燥したお菓子)の一種として、アラレ餅・玉アラレが作られていました。また、奈良時代には五穀豊穣を祈る際に、神前に供えたお米を焙って食べたことが「あられ」の起源とも言われています。

「あられ」という名前は、もちを煎るときに発生する跳ねるような音や、小さく膨らんだ形状が、空から降ってくる「霰」に似ているので「あられ」と呼ばれるようになります。

日本の伝統行事である、ひな祭りで「あられ」は重要な存在です。ひな遊びを楽しむ際に平安時代の公家が、あられを食べたことがその由来とされています。ひなあられは色とりどりですが、それぞれの色には意味があり、緑は邪気を払う効果があり、白は子孫繁栄、赤は魔除けという願いが込められています。「災いや病を追い払い、健康に成長できるように」という思いが込められているのです。

「せんべい」とは?

「せんべい」は、小麦粉や米粉などを練り、薄く伸ばして焼かれたり揚げられたりするお菓子のことです。現在の日本では、うるち米を使用したものが「せんべい」と呼ばれています。

せんべいの起源は古く、中国の前漢時代にあたる紀元前202年から紀元8年に作られ始めたと言われています。当時、中国の宮廷で祝宴の席で提供されていたそうで、日本には飛鳥時代の592年から710年にかけて伝わったとされています。

日本各地でさまざまな種類のせんべいが作られています。例えば、草加煎餅、海苔煎餅、ざらめ煎餅、揚げ煎餅、ぬれ煎餅、さとう煎餅などがあります。また、南部煎餅や八ツ橋などは小麦粉を使用したせんべいです。

「せんべい」という名前の由来には、明治時代に草加宿という日光街道の宿場町で団子屋を営んでいた老婆「おせん」が関係しています。彼女は侍から「団子を平たくして焼いたらどうか」と提案され、それを販売し始めたとされています。そのため、「おせんさんが焼いた団子」が「せんべい」と呼ばれるようになったという言い伝えが残っています。

まとめ

最後にもう一度、「おかき」と「あられ」と「 せんべい」の 違いですが、以下のような違いがあります。
  • 原材料の違い
  • 形や大きさの違い
  • 歴史や由来の違い
簡単に覚えるなら、「おかき」と「あられ」は、材料が「もち米」と同じで大きさに違いがあり、「せんべい」は材料が「うるち米」と違いがあります。

また、せんべいのほうが歴史は古く紀元前まで遡りますが、現在のような「せんべい」になったのは明治時代とされています。おかきは奈良時代の宮廷で振舞われていました。

この記事では、おかきとあられとせんべいの違いについて紹介してきましたが、これから、おかきやあられ、せんべいを食べる際には、その違いや歴史や由来について思いをはせてみて下さい。
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